特別対談「税務調査で反論するには『????』が有効です。」

対談者:佐藤大祐、玉村洋平(本会会員、税理士)


1 我々の場合

玉村:まず、そもそも税務調査とは何ぞや、ということなのですが、当然ながら、「儲けすぎだから、もっと税金を払わせよう」とか、そういうことではありません(笑)。
 税務調査を受けて追徴課税されることがありますが、これは、申告した税金の額が間違っていると判断されたからです。厳しく言えば、法律違反だということです。

佐藤:そうですね。しかし、通常は意図的なものではなくて、「そもそも、それは贈与だと考えていなかった」というような場合、すなわち、税務署と考え方が異なる、という場合が多いでしょう?

玉村:そこです。納得いかない場合は、「我々の考えの方が正しい。」という反論をすべきなんです。

佐藤:反論の手段はどうでしょうか。集団で圧力をかけたり、ひたすらごね続けたり、仮病や居留守を使うとか、議員さんや税務署内に影響力を持っていそうな人、内部事情に通じていそうな人に頼むとか、あるいは泣き落としや義理人情に訴えてみたり、盆暮れの付け届けは欠かさないとか・・・

玉村:(笑)昔はそういうものもあったように聞いておりますが、いまでは無理でしょう。最近はコーヒーにさえ手をつけない調査官もいます。コピー代も全部置いていきます。得体の知れない交渉術やコネクションを売りにしている人が近づいて来たら、関わらない方が無難だと思いますよ(笑)。

佐藤:ええ、コネや交渉術を買って顧問税理士契約をしたのに、まったく調査のときに役に立たなかった、と嘆いている経営者に会ったことがあります。

玉村:そうすると、どの税理士に頼んでも一緒、ということになってしまいませんか?

佐藤:我々としては「違う」と声を上げたいところです。

copyright ©2010-2013 一般社団法人 租税法務研究会 all rights reserved.