特別対談「税務調査で反論するには『????』が有効です。」

対談者:佐藤大祐、玉村洋平(本会会員、税理士)

(承前)

3 勉強法

玉村:租税法務に強くなるにはどうしたらいいでしょうか?

佐藤:納税者と税務署で折り合いがつかない場合、最終的には裁判になるんですが、裁判所がどのように考えて結論をくだしたのか、判決文を読んでみるといいでしょうね。

玉村:たしかに、裁判所は、過去の裁判例や租税法学者の見解を参考にしながら、法令を基点にして論理的に解釈していますから、その姿勢を真似すればいい、ということですね。ただ、どの学者の見解を参考にしたかは書いてない(笑)。

佐藤:租税法分野では、まずは、金子宏先生ですね。勉強しているうちに、ほかの先生の名前も頭に入ってくるでしょう。
 金子先生はじめ有力な研究者の学説を勉強して、有名な裁判例をケースブックなどで勉強したことを前提として、さらに、今直面していることに関連したものを深く調べてみて、これらを論理的に構成すれば、税務署に対して説得力のある主張ができるようになる、ということになりますね。

玉村:金子先生の「租税法」の良いところは、これ一冊で体系的に学べることに加えて、関連する裁判例や学説が相当網羅されていることで、この本を起点にしていろいろ発展させていくと、実りの多い勉強ができると思いますね。ただ言葉にすると簡単なのですが、これ1000頁あります(笑)。これをただ読むだけではなくて、使えるようにならなくてはいけない(苦笑)。

佐藤:おっしゃるとおりです。金子先生がたしか、教科書の前書きで書かれていたと記憶しておりますが、租税法は「総合学問」ですから、他分野の勉強もしないと、よく分からない項目が多々ありますね。

玉村:租税法の勉強だけではなく、行政法や民法、憲法などの勉強も必要です。これまでかなりの勉強をしてまいりましたので、皆さんのお役に立てる、という自負はありますが、「これで十分」という終わりはないですねえ。

佐藤:ほんとにそうですね。より一層精進しましょう。

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